訪問4コマ漫画 ㊾「お、も、て、な、し。のココロ」
日本政府観光局によると『2025年7月の訪⽇外客数は 3,437,000 人で、前年同月比では 4.4%増となり、7月として過去最高であった』とのこと。
確かにこの夏は、暑いにもかかわらず右を向けど左を向けど、外国の方が日本の文化を、観光を楽しんでいる姿をたくさん見る。
暑い暑いと怠け、インドア生活を送っている私には、遠い国からはるばるいらっしゃった外国の方々のバイタリティたるや、崇めるに値する。
とまぁ、日本を高く評価し、楽しんでいただいているのにはきっと理由もあるのだろう。
その一つに、2013年9月7日に開催された第125次IOC総会で、東京オリンピックの招致プレゼンテーションでの滝川クリステルさんの『お・も・て・な・し』は大きな話題を呼んだ。きっとあの映像からも日本を連想する外国の方は多いに違いない。
訪問リハの現場でもいわゆる『おもてなし遺伝子』を持った利用者様に遭遇することは多々ある。
Aさんとのお付き合いは早10年近くなる、レビー小体型認知症という難病を患い徐々に低下していく身体機能、認知機能。
レビー小体型認知症とは、アルツハイマー病に次いで多い認知症で、特徴的な症状としては「幻視」や、「パーキンソン症状」がみられ、物忘れやうつ症状なども認められる病気である。
Aさんも出会った当時は歩行器を使って1人で歩いたり、屋外歩行練習を行うことができていた。病気のこともあり早くに有料老人ホームに入居しそこで安心、安全な生活を送っておられた。
訪問リハの現場は基本、在宅、いわゆる家が現場となることが多いのだが中には有料ホームに入居されている方にリハビリのお手伝いをするとも少なくない。
在宅と違って、整った環境だったり適切なケアが身近にあるため危険は少ない分、身体的なケアを中心としたリハビリを行うことが多い。Aさんのリハビリも下肢の筋力を低下させないようにという目標のもとスタートしたのである。
Aさんはとても上品な方であった。
Aさんとのやり取りを重ねるにつれてAさんは『ココア』を淹れるのが得意!だということが判明した。
「今度ぜひ美味しいココア飲んでみたいなー」
その一言がAさんのおもてなし精神にスイッチを入れたのだ。
次の訪問の際、お部屋にお邪魔すると開口一番に
『先生、今日はお時間あるのかしら?』
相手のスケジュールへ気遣いも忘れないAさん。
「んん?大丈夫ですよ。」
そう答えるや否やバイタルを測ることもそっちのけでいざ歩行器を手に取り
「先生、私についてきて」
珍しく積極的、強引なAさん。
そういうと、ホームの共有キッチン?まで案内する。
なんのことや?と思いながらついていくとAさんの歩行器の荷物入れから『ココアの缶』がでてくるではないか。
サプラーイズ!!
「いつも先生にはお世話になってるから、今日は私がもてなしたいの」
そういうと、何分も何分もかけて最高の一杯のココアを入れてくれたのだ。
「私のココアは特別なのよ」
得意げな顔が今も思い出される。
上品なAさんはさらに歩行器の荷物入れからお菓子を取り出した。
「本当はケーキなんて買いに行きたいけど行けないからこれで我慢してちょうだいね。」
なんて可愛いおもてなしだろう。私は訪問リハの仕事そっちのけで最高のアフタヌーンティーを楽しんだのである。
おもてなしはホスピタリティとも訳され、我々人と接する仕事においては大事な精神である。
私はAさんのちょっとした心遣いから改めてホスピタリティとはなんぞや!?と受ける側として考えた。
ホスピタリティ=与える
と勘違いしている人もいるだろう。
何かしてあげることがホスピタリティだと。
違うよね。
Aさんとのお付き合いは10年に渡り病気も進行し今はあのココアを飲むことはできないけど、今でもあのココアの味は忘れない。
可愛いAさんは見える幻視までも私を楽しませてくれた。
「先生、今日はキラキラした片栗粉がお空から降ってくるの、綺麗ねーー」
未だかつて空から降る片栗粉を経験したことないが、きっと綺麗なんだろうなーと想像しつつ、
「キラキラ見えていいですねー」
なんて曖昧な返事をしたら
「いいわけないじゃないのよーー。」とまさかの変化球を、返してくることも。
ホスピタリティ、おもてなし。
目配り・気配り・心配りがまだまだ足りない私であった。
2025.09.08
訪問4コマ漫画 48話
これが生きるに寄り添うこと。かな。
おかげさまで、、、
マザース成城中野支部はこの度10周年を迎えることとなった。開設してまもなく入社した私はこの10年マザースと共に歩み、そして年をとった。
その間、世の中もすこぶる速さで展開しており、介護保険の法改正も2005年から3年ごとに法改正されている。
私が訪問業務に初めて従事したのは大学卒業後、理学療法士として3年目だった。
まだまだ介護保険ってなんぞらほい。
という人も多かった頃に比べると、支援する私たちも意識が変わった一方、支援を受ける利用者、家族も介護保険を利用して地域で生活する、最期をどう迎えるかという意識に変化があるのは言うまでもない。
今では馴染みのある「終活」という言葉は2009年にメディアを通じて初めて世に出てきたが、いまでは終活は年を重ねる上で非常に大切なワードになっているのは身をもってわかる。
たった10年を振り返るだけでも、
介護保険という限られたワードを元に振り返ってみても
時代とともに変わってきたなと思う。
住まい・医療・介護・予防・生活支援の一体的提供が求められるようになり、住みなれた街で最期まではもちろんのこと、
高齢者のできる力を伸ばす!
というケアへシフトしてきていると感じる。
また、テクノロジーの進歩にて見守りセンサーや遠隔モニタリングなど実際にそばにいなくても本来の目的を果たせるように技術は進歩しており
介護施設ではスタッフの負担軽減や業務の効率化に役立っている。
利用者様の目線に立てば
利用者、家族の「選ぶ権利」の意識が高まり、受け身の姿勢から、「こうなりたい」「こうしてほしい」「こんな生活を送りたい」と意識が変わってきたと感じる。
家族に関しても「介護は家族が行うもの」
という意識からどんどん外部サービスを利用することへのハードルが下がったと思う。
と、まぁ私の考えの偏りはあるかもしれないが、
私は思う、
・選ばれることへの責任
・サービス質とは、、、と。
先日、とある会で訪問マッサージの会社の営業を担当されている方とあれこれ話す機会があった。
お互い、保険下でサービスを提供するものとして、これからのサービスのあり方に関して話したのだが
「保険下で目的意識なくサービスを提供していると技術(サービス)の質が落ちる。という危機感を持っている」と。または技術の向上がない。と。
私はその言葉に共感したのであるが、、、
確かに、利用者様によっては「きてくれるだけでありがたい。」なんて言ってくれる方も、確かにいる。
しかしこれからの時代、それだけではセラピストとして生き残っていけないなと感じるのだ。
一方で介護業界は慢性的な人手不足。
質よりも量を確保することが難しいのが現実で
選びたくても選べない状況も事実である。
私は初任者研修の講師もさせていただいているのだがその際、受講生に「高齢者のイメージを教えてください」と問う。
出てくるワードはネガティブなワードばかり。
「あなた達、行く末はみんな高齢者になるのよ、こんなネガティブワードで悲しくない?」
なんて質問しようもなら、みんな苦笑いの場面を何度も直面した。
さぁスタートに戻ろう。
今までの10年を振り返り、これからの10年を明るくするためには??
責任という言葉は重くのしかかるかもしれないが、見方をかえれば『やりがい』につながるし、
年を重ねることへのネガティブなワードが減り、ポジティブな言葉へ変換されれば
きっとこの業界自体の未来も明るいであろう。
私がコラムを書くのは違った切り口から介護・医療の楽しさ、深さを伝えたいと共に、アハって笑ってもらえたら、、、、
訪問リハも楽しいじゃん!と思ってもらいたいからで、、、、
先日、とある利用者様から言われた一言
「老い先短くとも、自分でありたいわね。」
正解がない人生において、まさに終着駅を近くに感じる今だからこそ、こうあるべきだとか、こうした方が安心だとか周囲の意見も最もだが、自分を大切にしたいという気持ち。
寄り添うってそういうことだよな。
だからこそ、
・選ばれることへの責任
・サービス質とは、、、と。
といながら今日も訪問を通じて利用者様の生きるに寄り添いながら、なんかオモシロネタはないかと、わるーい顔をして日々業務をおこなうのでありました。
これからもマザースと4コマコラムをどうぞよろしくお願いします((〇┓
2025.08.23
訪問4コマ漫画 47話
「真夏の思い出」
暑いったらありゃしない。
毎年、言ってますね。
だって、暑いんだもん。言わせてよ。
さてさて、この季節の訪問リハのプログラム内容は本当に頭を悩ます。
なぜなら、屋外歩行練習を実施することが命からがらなのだ。
訪問リハビリのプログラムの一つに、屋外歩行練習を取り入れている利用者は結構いる。
屋外歩行練習の目的は、安全に外にでるようになる!ということもそうだが、
今日も外を歩けた!という事実が、明日生きるための安心につながる方や
引きこもりの方を外に連れ出す!という名目で行うこともある。
しかし、今年もこの暑さだ。
屋外歩行練習を実施するか否かの見極めは非常に難しいところである。
ふと、屋外歩行に関してAさんもよく頑張ってたなーーー。と思い出す。
年配の男性の利用者様の傾向として、
・家族の言うことは聞かないが、先生(医者や看護師など)の指示には従順。
・一度決めたら、なかなか融通が効かない。(プログラムの臨機応変な変更ができない)
ところがある。
Aさんもその口で、リハビリの時間は一緒に外にでて公園を一周するってことがルールであった。
多少雨が降ろうがお構いなし。雨で前髪がヒタヒタになっても歩くのだ。
とある暑い日。
ミーンミーンとセミの声。
なんじゃこりゃと叫びたくなるような暑い日。
こんな日も暑さ対策をしっかりして屋外歩行練習をいつも通り実施した。
途中休憩を挟みながらAさんとお話しタイム。
普段寡黙なAさんは、この休憩タイムはほぼ私が一方的に話を(もう漫談といっていいだろう)聞いているだけ。
理解しているのか?してないのか?うんうんと合いの手だけくれる方であった。
この日も暑さ相まって、どーにもならない暑さへの愚痴をこぼす私。暑くて眉毛がなくなるだとか、ペットボトルの水がすぐにお湯になるとか、落ちのない話を繰り広げる。
そんな会話の最後に
「よく、こんなに暑いのにAさん、外歩き、頑張りますね。」
と声をかけた。
すると、普段寡黙なAさんが、、、
「あなたが来ないと、外歩けないから。」
と口を開いた。
普段口数の少ないAさん。
そっかーー。と私は思った。
屋外歩行練習も本人からやりたいというわけではなく、本人の能力を加味して提案したプログラムだった。
そして毎週屋外歩行練習をすることでなんとなくルーティン化してしまったプログラム。
慣れてしまったのは私の方で、そこに対してしっかりと目的を持って取り組んでいたのはAさんだった。
プログラム内容は変わらずとも、取り組む意思や目的は実は変わっていたりする。
本人の気持ちをその都度確認したり、本人から引き出せてなかったのは私の方だった。
Aさんも初めこそ、なんとなくリハビリスタッフの提案に対して同意し屋外歩行練習を開始しただろう。それが今では、リハビリの時間は外を歩ける時間と意味付けされており、強い目的を持って取り組まれていたのだ。
そっか。できる限り外を歩くことを取り組もう!と思った時間だった。
季節はすぎ、今度は寒い日のこと。
「今日はちょっと寒いけど上着着たら大丈夫だから、外いこっか?」
いつも通りの声かけをした。
するとAさんは
「寒いからやめる」
えっ。
あの真夏の炎天下ではへこたれなかったメンタルは、ちょっと木枯らし吹く寒い日には簡単に諦めにつながってしまった。
そかそか!そーだよね!
Aさんの気持ちを尊重しつつら、さて何しようかなー?と思うのを思い出した。
さぁ、まだまだ暑い日が続きそうだ。
あなたは真夏にどんな思い出がありますかぁ??
2025.08.23
訪問4コマ漫画 46話「最新テクノロジー」
先日、大阪万博が開幕した。トレードマーク?のミャクミャクに段々心を奪われつつ、テレビから伝わる最新テクノロジーたちに、すげー。うわぁー。見てみたいなー。
と、興味本気、好奇心だけで生きている私はまさに、釘付けである。
テクノロジーといえば、巷でもそして、この機械音痴の私でさえ使っているAIテクノロジー。本当に便利だなーと思うし、あっという間に仕事を終えてくれる。
最近AIを使ってこんな質問をしてみた。
「訪問看護、リハビリにおけるちょっと笑えるエピソードを作って。」
どんなもんやAIと待っていたら以下の答えが返ってきた。
⸻
『リハビリは突然に』
訪問リハビリの理学療法士・高橋さんが担当しているのは、御年85歳、元大工の鈴木さん。見た目はごつくて無口だが、実はおちゃめでおしゃべり好き。
ある日、いつものように筋トレのリハビリをしていると、鈴木さんが真剣な顔で言いました。
「先生、今日は新しいメニューを提案したい。」
「えっ?鈴木さんから?」と驚く高橋さんに、鈴木さんはニヤリと笑ってテレビを指差しました。
そこには、テレビでやっていた某アイドルグループのダンス練習シーン。
「これ、できたらリハビリどころか、俺、紅白出れるかもしれんぞ。」
「いや、出ないですし!」
結局その日は、椅子に座ったままの“簡単アイドル風”ステップ練習が始まりました。手のリズム運動と体幹トレーニングにうまくアレンジしつつ、音楽に合わせて笑いが絶えない30分に。
最後に鈴木さんがひとこと。
「やっぱ踊ると、心まで動くなぁ。」
高橋さんは、記録用紙に「本日のリハビリ:踊る心と脚」とだけ書いて、静かに笑いました。
⸻
オチまでついた完璧なエピソードであった。
AIはたくさんの情報をもとエピソードを作っているのだとしたら、、、
訪問看護、リハビリの情報のなかに
つまり、わたしがいつも目標に掲げている、心を動かすリハビリを!という情報が組み込まれているということか!
なんか、AIと気が合いそうである。
今後、もっともっとテクノロジーが身近になりリハビリは個別性といいつつも、疾患と評価をちょちょっと入力するだけで、その人にあったプログラムや予後をすぐさまAIが捻出してくれる時代も出来上がるだろう。
だとしたら、療法士としての我々の強みはなんだろうか?
ICFなどを勉強し、その人を理解しながら支援計画やリハビリプログラムを立てていくという作業、寄り添うという心を
AIが代行してくれたら、どこか寂しい気持ちもあったり。
しかし一方で、日々の忙しない業務をAIが代行してくれることで、
仕事効率をあげ、余裕ができるからこそもっとその人に寄り添えるという考えもできる。
うまく時代にのり、テクノロジーを駆使していくことがこれからは必要なんだろうな。と大阪万博を見ながら思ったわけで、、、
そんな話を、とあるアラナインティのご夫婦にしたところ、
「初めて大阪であった万博、行ったわよー。その時もすごかったわぁ〜。あなたも見た?」
と。
「いえいえ、まだ生まれてませんから〜。」
「あら、そう。てっきり大阪万博も知ってるのかと思ったわ。」
ここで正そう。初めて大阪万博が開催されたのが1970年
当時の年齢を10歳と見積もっても
2025年現在で65歳となる。
私はいくつだと思われているのだろうか?
それこそAIに聞いてみたい。
2025.05.07
訪問4コマ漫画㊺「推し活とリハビリ」
『推し活』→ アイドルやキャラクターなどの「推し」、いわゆるご贔屓を愛でたり応援したりする、「推しを様々な形で応援する活動」のこと。らしい。
2021年には「推し活」が新語・流行語大賞にノミネートされ、もう耳馴染みになったなぁと思う。
一説によると、日本人は昔から「推し活」好き!?と言われており、推し活文化は古くは江戸時代からあると言われている。
「推し活」による健康効果も研究されており、健康感、自己肯定感が高まったという報告もあるほどだ。
私は利用者様のADL、QOLを改善するために、推し活がどれほど効果があるかが、痛いほど(笑)よくわかっている。
とある利用者様は中高年のアイドル氷○きよ○の大ファン。
ベットの周りにはうちわやら、タオルやらたくさん飾ってあった。
普段は全くリハビリに意欲を示すことなく、身体の不定愁訴(しんどぃ〜とか、痺れる〜とかとか)が多く、
どこの小娘が勧める「歩く練習しましょう」なんて提案はもちろん受け入れず、取り組むことができない。
しかし、しかーーし、どうだろう。
普段ベットで過ごすことが多いにもかかわらず、推しのコンサートとなれば、何時間もかけて会場にいき、数時間のコンサートを楽しんで帰ってくるという、、。
推しのリハビリ効果、リハビリ実施率、ぱねぇったらありゃしない。
他の利用者様だってそうだ。
普段、脳トレなんて、見向きもしない男性利用者。嫌だ嫌だのオンパレード。
そんな時に、iPad使って、昭和の俳優の写真をチラッと見せようもなら、ウィキペディアにも書かれてないような、あんな話、こんな話(事実かどうかはわからないが)出てくるわ出てくるわ。
最後には「来週もこの機械(iPadのこと)使ってみせてよ。」と高度な交渉も交わしてくる。
つまりは、心が動けば、身体はもちろん頭も動くし、生活そのものにも変化を生むことができるのである!
こういう利用者様の様子を直に見ている、体感しているからこそ、
私は心が動くリハビリを!!と常日頃から感じるのである。
とあるご利用者様のお話だ。
乳がんによる骨転移にて大腿骨が病的骨折をした。手術することができず不適格な形で癒合してしまいベット上での生活が中心となってしまった方のお手伝いを数年行ってきた。
何かを改善するとか、よくなるために!という、目的でのリハビリではなく、現状を維持するため、不動による不快感を軽減するための
リハビリが中心、目標であった。
できることは少なく、果たして、自分のやっているリハビリはこれで良いのか?やる意味あるのか?と当時の私は感じていたのも正直な気持ちであった。
何年もお手伝いをする中で、いろんなことも話すようになった。
最近のドラマの話やアイドルの話、芸能人のゴシップ話などなど。
団地の奥様方がゴミ捨てがてらに繰り広げられるような井戸端会議をリハビリの時間にせっせとやっていたのだ。
口は動けども手は動かず、果たしてリハビリに来たのか?話に来たのかわからない日も正直あったと思う。
そんな時間を数年過ごしながら、最後は静かに亡くなられた。
亡くなられたあと、娘様との会話の中で
「母はリハビリの時間とても楽しみにしてました。アイドルとか、芸能人のゴシップ、恋愛話とか、とても楽しみにしていたみたいです。普段私とは全然しない会話なので。
恋愛の話しやちょっと下ネタの話の時とか、母のピンク色の部分がたくさん出てきて(笑)
とても楽しそうにしてて、私も嬉しかったです。」
ピンク色かぁ。
推し活も、きっと人間が本来持っている、ドキドキしたり、ワクワクしたり、キュンキュンしたり、そんな気持ちなんだろうと思う。
推し活の対象は、アイドルや芸能人である必要はない。
○○さんを見に行くために、毎週ディにいくのよ。とか。
○○さんがきてくれると、楽しいからとか。
そーいや、昔、ケアマネさんからのリハビリの依頼書の備考欄に
「イケメン男性スタッフ希望」
と書かれていたっけ(笑)
※マザースにはイケメンもイケジョも、そろってます。
私ごとになるが、我が母も大概のミーハーさんであり、推しがいようものなら、「なんでそんなこと知ってるの?」
というとこまで推しのことなら知っている。
久しぶりに、実家に帰った時のこと、
棚や壁に飾ってあった家族の写真が、当時推していた韓国俳優の写真に全て変わっていた。
えーーっと驚いたのも序の口、母の言い訳ったらありゃしない。
「あんたら(家族)の写真見てもつまらんもん、○○の、写真見てたほうがええやん」
推しの強さを実感しつつ、家族の絆ってなんで脆いんだと思ったのも束の間
母の部屋にもしっかり、どでかいポスターが貼ってあるのを見て
「あぁ〜、この人長生きするわ。」
と子供ながらに思ったのであった。
2025.02.10
訪問4コマ漫画㊹「元気の源」
これからの介護、人生、リハビリを考えると、、、
今回は訪問リハとは違った目線でコラムを書かせてもらおう。
私ごとになるが、先日実家に長らく帰省させてもらった。
家を出てからこんなに長く実家に滞在することはなかったので、大人になった私は改めていろいろ考える機会となった。
子供の頃お世話になったおじちゃんおばちゃんは、もちろん歳を重ね、怖いと思っていたおじさんは、なんだかこんなに小さかったのか?と驚くことも。
お菓子をくれてたおばちゃんの家には訪問看護の車が定期的に止まっていたり、近所のおじちゃんは、いつの間にかお星様になっていた。
景色こそ変わらず記憶のままであるのに、そこに住む人たちはしっかりと時間が経過している。
地元の広報を開いてみると、誕生した子供の数よりも亡くなった方の名前が多く書かれており、暑い日も寒い日も歩いて通った学校は数年後には廃校になることが決まっていた。
来年はいよいよ、日本の人口の約4人に1人が後期高齢者(75歳以上)となり、超高齢化社会を迎えることになる。
人口が減っている、若い人、働き手が減少している地域の2025年問題はどうなるのかな?とふと疑問に思ったのも正直なところである。
そこで、ふと目をやったのが
なう、ザ、後期高齢者のよくコラムにも出てくる我がばーちゃん。
昭和6年生まれのヒツジ年。最近はちょっと壊れたラジカセのように同じ話を繰り返すようになってきた。
腰は90度強曲がり、緑内障にて視力は少しずつ低下しいるにも関わらず、要介護認定非該当、いや要介護認定を受けていないのだ。(介護保険という言葉はしっているのだろうか?)
しかし、そんな体にもかかわらずADLは自立しており、未だにクワやカマをもって土をいじり、雑草と戦っている。(田舎の人にとって雑草ほど憎き相手はいないのだ。)
身内ではなく、自分自身が担当する利用者だった場合、
『もーやめな。危ないよ。』
『誰かと一緒にやってくださいね。』
と言って、行動を制してしまうだろう。
何故か?何故祖母にはその言葉をかけないのか?
身内ではあるが、療法士としての責任がないためであろうか?
なんと、無責任な身内であろうか、我ながら酷いなとも思う。
しかし、祖母の立場からしてみれは、できるんだからやる、やりたいからやる。
であろう。
2025年高齢者は増えていく一方、支える医療・福祉を担う働き手の不足は深刻な問題であることはいうまでもない。
働き手を増やすことはもちろんなのだが、1人で頑張れる人を増やしていく、つまりはよく聞く健康寿命を長く保つことは非常に大切なことである。
健康寿命を長く保つことはなにか?
これから問われる問題であろう。
もちろん身体的にも精神的にも健康であることは間違いないのであるが、それを活かす日常がなければ、健康寿命が保てないのではないのか?
祖母の例は極端かもしれないが、リハビリ職として関わらせていただく利用者様たちが、自分のやりたいことをやりたいと描ける、主張できるように関わるとともに、それを実現するためのチームとしての関わりが重要である。
ある日、祖母を探してもどこにもいない。
おーぃおーぃと呼ぶと、山から流れてくる沢のあたりから声が。
まだ若い私でも、そんなところに行きたく無い。
「なにしてんの?水流れてるんやから、滑ったは危ないよ」
「草が生えてるから、抜かないと」
昭和6年生まれ、生まれてきてから今まで草と戦ってきた祖母の執念たるや、理学療法士としての孫の想像の限界を超えてきたことはいうまでもない。
2024.12.16
訪問4コマ漫㊸「11月11日は、、、、!」
11月11日は、、、、!
皆さん、11月11日は何の日か知っていますか!?
あっ、『ポッキー&プリッツの日』と答えたそこのあなた。
ブブーーー。でございます。
医療、介護職についている皆様にはこう答えていただきたい。
そう、『介護の日』だと。
なぜ11月11日なのか?
厚生労働省のホームページより引用すると
「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」を念頭に、「いい日、いい日」にかけた覚えやすく、親しみやすい語呂合わせ。
としたそうです。
私は個人的に、あったか介護のフレーズが好きで、初任者研修の時など、受講生方によく紹介する。
あったか介護を実現するために必要な事のひとつに(医療・介護業界に限った事ではないが)人手が必要だ。もちろん様々なテクノロジーの進歩にて以前よりも機械が担ってくれる仕事は増えたとはいえ、やはり人手ははずせない。
2023年小学生の将来なりたい職業ランキングにおいて、
男女ともに「医師」は10位以内にランクインしているが、介護福祉士とか、理学療法士とかはまだまだ小学生の将来像に及ばないのか、または認知もされてないのかもしれない。シクシクである。
訪問現場においては様々なご家族と遭遇する。
介護生活はそれまでの夫婦間や親子間の積み重ねによって形が変わるなと感じる。
とある夫婦のお話をしよう。
奥様が先に病気で倒れ、旦那様が介護する生活が始まった。
今まで家庭のことは奥様に任せっきりだった旦那様。
お子様もいなかったこともあり、旦那様にとって初めての主夫仕事と介護生活がスタートした。
70歳を超えての介護、主夫生活。きっと匙を投げたしたくなることもあっただろう。
しかし、周囲の助けも借りながらかれこれ10年以上在宅にて介護、主夫生活を送っている。
リハビリにて関わる中で、とても尊敬しあっている様子が垣間見え、旦那様の口から奥様の嫌な点や悪口は一切なく、むしろ自慢話、いやノロケ話のように奥様の若い頃の武勇伝や2人で行った旅行の話など話してくれる。
その話が聞こえているのか否が、奥様も目を細めてニヤッとする。
なんて穏やかな、あったかい介護生活なんだろう。と思う。
そんなご夫婦のお手伝いをできるって
いい仕事だと思いません??
そこのヤングな君たち!?(ヤングってもう死語かしら)
介護、医療の仕事は与えることよりも、吸収する、感じる、共感する場面が多く、自分自身の成長が技術や知識だけではなく人として、人生観そのもののブラッシュアップする機会があると思う。
介護の形は十人十色、いや万色と言えよう。答えもなければ、時代によって価値観、サービス提供体制も変わってくるだろう。
しかし基本はわすれてはならない。
私もいざ自分が介護される側に立った時のために、、、、
尊敬されるところあるかしら?と思う今日この頃である。
2024.12.16














