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訪問4コマ漫画㊵「上手い」療法士って??

「上手い」療法士って??

4月もあっという間にすぎてしまった。
訪問業務の良いところは、行く先々で花見ができることかもしれない。

皆さんは今年の桜は楽しんだであろうか?

さてこの4月、私も理学療法士になり17年目。
先日、同期と話ながら
「あっという間だねー。」

「いま、国家試験受けたら落ちるよね笑笑笑」

なんて話を交わしたのだが、
理学療法士という資格を持ち働く場所は病院や在宅、施設と様々あるが理学療法士一年目の私は、まさか自分が将来訪問業務に携わっているとは思いもよらなかった。

先日ニュースで、「入社したばかりの新入社員がもう退職⁉︎」なんて報道を聞いた。

びっくり‼︎したのはもちろんであるが全く共感できないわけではない。

私も理学療法士一年目のころ、描いていた理学療法士と先輩方の働く姿、また現実を目の当たりにして「なんか違う。」とか、「こんなはずでは。」という気持ちがあったのは正直な気持ちだ。

当時の私は「上手い理学療法士」になろうと思っていた。

「痛みもとれて、患者さんを良くする理学療法士。」
オールマイティな理学療法士を目指していた。

まだまだ青いぜ。あたし。

痛みはとれないし、患者さんとうまくコミュニケーションがとれない。
良かれと思った指導が定着しない。

幾度となく壁にぶち当たり、悔しい思いもした。
仕事中にトイレに逃げ込み、奥歯をぐーーっと噛んだことも。

理学療法士という仕事が嫌になることも沢山あったなぁ。と今は懐かしく思う。

さて、ここで上手い理学療法士とはなんだ?と自分に問いただす。

私が一年目に描いていた「上手い」とは技術のことであり、理学療法士としての知識や技術面ばかりを磨こうと思っていた。それが患者様のためにつながると思っていた。

私もこの17年の間に、現場を経験し、後輩を指導し、リハビリチームの管理者を経験し、
いわゆる患者様、利用者様にとってのリハビリは我々が単に技術を提供するのみではよくならない事を経験し感じたのである。

とある療法士は目に余るところが色々あり大丈夫かな?と思っていたが、認知症の患者様とのコミュニケーションがうまくリハビリを進めていくのがうまかったり。

とある療法士はすごく知識も技術も豊富なのに、利用者様からクレームや担当変更の要望があったり。

なかなか難しいのである。

今、私が思う上手い療法士、そして今後目標とする理学療法士像は、

『明日が楽しみだ』という気持ちを持ってもらえるような関わり方ができる理学療法士だ。

痛みがとれた!歩けるようになった!という技術面はもちろんのこと、前向きな気持ちになったり、次回が楽しみになったりするような関わり方をしていきたいと思う。

私が理学療法士の免許を取得し、さぁ4月から働くぞ!という場面で祖母が言った一言は今でもよーーーく覚えており、

『年寄りには優しくするんで。優しくされると嬉しいけんなぁ。』

当時は『優しい』の意味をそのまま受け取っていたが、今は深く深く『優しい』の意味を考える。

話は戻るが、先ほどの同期との会話の中で良かれと思ったことが仇となった話を思い出し、吹き出したことがある。

入浴動作指導の際、
安全面を考慮しシャワーチェアやバスボードなどの福祉用具を提案、購入を進めた。

するとその利用者様から

『○○さんに椅子を買えと押し売りされた。』

と病棟で噂になってしまった。

看護師さんからも、

「○○さんが、リハビリの時に椅子を売られそうになった!って他の患者さんに話してたわよ。」と笑いながらつたえてきたっけ、、、

押し売りって、、、と当時は半分笑い、半分悲しくなったが、今となっては笑い話である。

2024.09.11

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