スタッフブログスタッフブログ
Staff Blog

訪問4コマ漫画㊲「気遣いを学ぶ。」

よくテレビでも、「○○さんは気遣いができる!」とか「あの人は気遣いの人」とか。人を評価、賞賛する際によく使われる「気遣い」という言葉。

気遣い: うまくゆく、または失敗しないように、気をつかうこと。と定義され、
気遣いができる人とは「相手がしてほしい、されたらうれしい、心地よいことを察することができ、それを積極的に言葉にしたり行動に移したりできる人」とされる。

我々医療、介護職においては非常に大切な能力であり、常に専門性を活かしながら相手(利用者)がされて嬉しいことや、心地よい時間を提供するのが最高のサービスであろう。

しかし、我々リハビリ職においては、気遣いとやり過ぎは区別して考えなければならない。

良かれと思って、、、相手が喜ぶと思ってとった行動が本人の「自立」を妨げてはならないし、時には見守ることも、見て見ぬふりをすることも実は大事であることは言うまでもない。

この仕事は世代が幾分も違う方と接するため、気遣いの観点や考え方も違うなーと思う事が多い。

Aさんの話をしよう。
Aさんは御年94歳。ご年齢の割には見た目も認知機能もしっかりしており、自立心の高い方である。人様の迷惑にならないように!が口癖の方である。

物のない時代、大事にする時代を生きてきたからであろう。何でもかんでもゴミとして扱わず、まさにSDGs。最後まで使い切るように工夫して生活をされている。

そんなAさんはディサービスにも通っている。初めは嫌だ嫌だと言っていたが、今ではリハビリの時間にディサービスでどんなイベントがあった!だとか、昼に食べた物が美味しかっただとか。まるで今日あった出来事を親に一生懸命伝える子供のように話してくれる。

そんなしっかり者のAさんは私の行動や仕草をよく見ている。

とある日のこと

「メモ紙いらない?」

と言われた。

出されたのは、いわゆる裏紙であった。ディサービスなどで配られる紙を大事にとって、裏面をメモ帳として活用していたのである。

普段から裏紙を仕事中に使ってる私をよく観察していたのであろう。溜まったメモ帳を私にプレゼントしてくれたのだ!

私は快く受け取った。
物を大事にする姿、見習わないとな!
と感じたのだ。

それからしばらくして、

「まだメモ帳残ってる?また沢山できたからどう?」と。

よくよくAさんの行動を観察するとメモの山が2つできている。

『はて?』

と感じた私は

「なんで2つにメモ帳分けてるのー?」

と何気なく聞いた。

「これはね、印刷面が濃いと、裏に移っちゃうでしょ。そうするとメモ帳でも嫌じゃない?だから分けてるの。先生にプレゼントするのは印刷の薄い裏が白い紙のほうよ!」

なんと、Aさんは裏紙を再利用するだけでなく表面の印刷の濃さ、色移りまで気を使い、最高の裏紙メモ帳を私にプレゼントしてくれていたのだ。

正直いままでそんな事気にしたこともなく、裏紙なんて書けりゃいいだろ!くらいに思ってたガサツな私は、すごく感動し勉強になったと思ったのだ。

気遣いの仕方、方法、考え方は人それぞれであろう。受け取り方もそれぞれだ。

しかし私は

せっせと裏紙をハサミで切り、仕分けして、綺麗に揃えてプレゼントしてくれるその背景までも浮かび嬉しくなったのだ。

人から学ぶことは非常に多い。

特に世代の違う方々から学ぶことは教科書には書いてない。
ジェネレーションギャップだとか時代にそぐわないとか、そんな言葉で片づけるのはもったいない。

幸いなことに、この仕事は日々色々な方と接する。
今日もほっこりする出来事や、ぷっと笑う場面を目の当たりにし、相手の気持ち、気遣いを全面に感じながら、仕事をさせてもらうことに感謝をし、いただいた気遣いを私なりの形でお返しできるよう頑張ろと思う、、、

さむーい寒い訪問移動時間とっては心温まるエピソードであった。

2024.03.09

スタッフブログ一覧へ戻る

Archive

Category