訪問4コマ漫画㉗『在宅におけるDIYとは』
誰にも言ったことがなかったが、私はホームセンターが好きである。便利グッズを探したり、ただただ綺麗に陳列された工具や部品を見るだけで何故かワクワクするのは何故だろうか?
幼い頃からやりたい!と思った事にはどちらかというと貪欲に挑戦してきたタチで、ワクワクさんやノッポさん(知ってる人はかなりのマニアかも!?)が作ってるものは真似をよくしていた。欠点はとにかく不器用なのと雑さであり、獅子おどしを作った時は「カポーン」という音は永遠に聞こえなかったし、竹とんぼを作ろうと竹を山から取ってきたが、結局飛ばなかった。挙げ句の果て、学校で縄文人はどんぐりでクッキーを焼いていたなんて話を聞いたら、やってみたくてたまらなくなり、作った自称どんぐりクッキーを当時のクラスメイトに食べさせようとして事件になったこともある。
そんな私だ。在宅現場で、福祉用具を置くには難しい環境やリハビリの場面でどうにかしたい!という気持ちがよくわきあがる。
そして100均やホームセンターでなにか使えるものはないかと探すのはルーティンになっている。
しかし、上には上がいるもんで、日曜大工の好きなご家族の作ったものが本当にさすが!なのである。
ちょっとの工夫でこんなにも生活が楽になるのか!?と本当に勉強になるばかりだ。
私が今までの在宅現場でさすが!と思った福祉用具の使い方やDIYをいくつか紹介したい。
1人目は目が見えずひとりで生活をしていたAさん。
屋内の移動はベットからトイレまでの移動になるが、そこでの転倒が多かった。
そこでAさんは腹を括った。その名も『ベストポジションバーによる竹薮作戦』
これでもか!というほどベストポジションバーを家の中に建て、トイレまでの動線の安全を確保したのだ。まるで竹取物語の竹薮のようになった部屋。それにより転倒は格段に減った。デメリットは同居者がいたら邪魔で仕方ないこと。幸いにAさんは一人暮らしだったため、特段問題はなかったのである。
2人目は床のものを拾えないBさん。
福祉用具ではマジックハンドとか、リーチャーとか床のものを拾うためのものは販売されているが、「そんなハイカラなもの私には使えん!」というBさんは『火バサミ滑り止めシート作戦!』選択した。使い慣れた火バサミの先に、滑り止めシートを巻いてつかみやすくした。確かに使い慣れた火バサミの方がしっかりとつかめそうだ!デメリットは滑り止めシートに埃がたくさんつくこと。定期的に滑り止めシートを交換しないといけないことだ。
3人目はこれぞDIY!家の構造に合わせてスロープつくったCさん。
奥様が脳梗塞を患い車椅子生活となってしまった。外に出るにはスロープを使わないと出れない。しかし家の構造にベストマッチしたスロープがなかったのだ。
ディサービスに行くのに車椅子を男2人がかりで持ち上げますか?なんてケアマネと話してるなか、旦那様はなんとスロープを作ってしまったのだ。しかも機能的で、しっかり蝶番もつけ収納もコンパクトにできる強者。さすがである。
まだまだこれぞ!という方はたくさんいて本当に勉強になる。
たしかに安全基準を問うとDIYで作ったものは大丈夫か?と不安にはなるものもあるが、私は病気を患ったことで生じた生活の不自由さをなんとかしようと考えて実行するその気持ちを尊重したいし、大事にしたい。
生きる、生きていくというのはそういうことだと。思うのだ。
さて私のDIYの話に戻ろう。
私が唯一自信をもって役に立ったのは、
手作り足台。
ジャンプとかマガジンとかの雑誌を何冊か重ねて、ガムテープで巻き巻きにして台をつくり、股関節が曲がらず上り框が登れない方への手作り足台だ。
へっ。それ?それだけ??
不器用な私はあれよこれよとアイデアは浮かぶものの、成功したためしがほとんどないのだ。この程度のものしかつくれない。唯一はその人の好みに合わせて雑誌を巻くガムテープの色を使い分けることぐらいだ。
どうか手先の器用なあなた。
私のアイデアを実現することを手伝ってくれないだろうか、、、?
2023.03.08